日本のゲーム業界の現状としてはソーシャルゲーム流行によりゲーム業界はまた上り調子になったと言われます。
しかしその一方でソシャゲの課金システムは世間の風当たりが強く、より良い収益化システムの模索が続けられています。
またソシャゲのタイトルは流行の浮き沈みが激しいため大型IPに成りきれないこともこれからの課題です。
今回は温故知新ということで、かつてのゲーム業界が衰退した原因を調べて分析してみました。
そこからコンシューマーゲーム、ソーシャルゲームともに今後のゲーム業界をさらに盛り上げるためにはどうするべきか考えて独り言をほざいてみます。
いつにも増して私的な意見中心で懐古おじさんの偏見が多く含まれます。すみません。笑
●国内ゲーム業界の衰退
まずかつての国内ゲーム業界が衰退した原因を内的要因と外的要因に分けてみました。
それぞれを詳しく解説します。
1.ゲーム業界衰退の内的要因
ゲーム会社自体の問題をゲーム業界衰退の内的要因として分類します。
・開発費の高騰
ゲームソフトの媒体が高容量化していくにつれて、開発費が高騰しました。
調べたところ数字が見つからなかったんですが、ファミコン全盛期の頃なんかはゲーム会社ってそれこそ無数にありました。
まあその分クソゲーも死ぬほどありましたが。笑
それがPS2が普及する頃なんかには一本のソフトの容量は大きくなってしまい、おかげで小規模な開発が難しくなり撤退する会社が増えました。
・ハードの多機能化
ハードの高性能化に伴いゲーム機にはいろんな機能が盛り込まれ、マルチメディア機と呼ばれるようになりました。
CD、DVD、Blu-rayの再生、ブラウジングなどゲーム以外の用途が盛り込まれむしろそのためにハードを買う人が増えました。
そのため皮肉にもゲームハードは普及しているのにゲームソフトは売れないという事態が起こりました。
・操作の複雑化
ハードが多機能化するとコントローラーのボタンも増え操作が複雑になりました。
そのため一部のマニア向けの傾向が強くなり、ライトユーザーが離れていきました。
・ハード開発の撤退
次世代ハードのシェア争いに敗れた一部のゲーム会社はゲームハード開発事業から撤退しました。
そのためゲームハード開発では競争相手が減り、各ハードに見られた個性などが弱まり面白さも減ってしまいました。
(特にセガとNECのハードのタイトルは個性がハンパない(笑)ので個人的にとても好きでした。)
・クリエイターの冷遇
いろんなゲーム会社が大きくなるにつれクリエイターの解雇や辞職の話が増えました。
ボクの記憶では狙ってか狙わずか昔のゲームタイトルはIPの構築にかなり力を入れていた気がします。
任天堂のマリオはもちろん、カプコンのロックマン、ナムコのワギャン、コナミのゴエモン(コナミは特に多かったのでは)など。続編でも変わらず面白かったし、むしろシリーズを経るごとにより面白くなっていたと思います。
しかし不思議なんですがよいIPほど関係ない人が開発したものはすぐわかるんですよね。
だからその名クリエイターたちが解雇されたり、自分から会社を辞めていったりという話を聞くたびにゲーム好きな友達と嘆いていました。(もちろん上手に技術継承している会社もあります。)
そうしたクリエイター冷遇のニュースが出るたびにゲーム機に背を向けるファンは増えたはずです。
ボクはこれがゲーム業界衰退のもっとも大きな原因ではないかと思います。
・海外ゲーム会社の台頭
昔は世界のゲーム市場で日本のシェアは50%と海外でも日本のゲームは人気が高いものでした。
しかし開発技術や企業自体の成長によるのか(それこそいろんな要因で)現在の世界ゲーム市場で日本のシェアは10%程度です。
日本のゲーム会社にも競争力があればむしろ鼓舞されて名作ゲームが大量に発表されても良かったと思うんです。
しかし国内ゲーム業界が衰退していたこと、そこから企業がクリエイターを冷遇したことなどの要因で市場は落ち込んだままになっています。
ここはソシャゲで盛り上がっている現在も依然として変わらないトコロです。
2.ゲーム業界衰退の外的要因
ゲーム業界以外の環境などによる問題は外的要因と分類します。
・インターネットの発達
かつてはインターネットは一部のPCマニアのモノでしたが、PCの低価格化などで家庭に普及しました。
ブラウジングや動画視聴などが気軽に楽しめるようになりゲーム業界を衰退させる競合相手となりました。
・スマホの普及
PCに続いてスマートフォンが登場することでインターネットはより一般化しました。
しかしこれは悪いことだけではなく、ここにチャンスを見出したゲーム会社がスマホ上で遊べるゲームを開発し現在に至ります。
とはいえスマートフォンもゲームハードとシェアを争うライバルと言えます。
3.ゲーム業界の現状と動向
※ファミ通.com「2017年の世界ゲームコンテンツ市場は前年比約2割増、デジタル配信が9割を占める 『ファミ通ゲーム白書2018』が6月25日に発刊」より
そう、ここ近年はゲーム業界全体で言うとまた拡大しているんです。
ただしソーシャルゲーム、スマホゲームありきですが。(^_^;)
・40%がスマホアプリゲームのみ
※ファミ通.com「2017年の世界ゲームコンテンツ市場は前年比約2割増、デジタル配信が9割を占める 『ファミ通ゲーム白書2018』が6月25日に発刊」より
全ゲームユーザーの40%はスマホアプリゲームのみをプレイする比率になっています。
ただし、これって実はチャンスだと思っていてスマホって今や誰でも持っているものです。
ゲーム業界が衰退していた時期はどれだけ面白いものを作っても人の目に触れること自体がなかったんです。
その解決策として使うには嬉しい状況で、全く新しいIPなどにとっても大きなチャンスなわけです。
4.ゲーム業界の就職、転職状況
ゲーム業界氷河期の頃はいろんな理由で多くの名クリエイターが解雇されたり、自分から会社を離れたりしたと言います。
グラフィック系を例にすると今は大手ゲーム会社にはドット職人なんか残っていないとも聞きますし。
名作ゲームを作ろうとする職人肌のクリエイターほど予算度外視になってしまう傾向があったりして、経営者からは嫌われがちです。
現在でもゲーム業界は転職が多く、人材の流動が激しい現状です。
逆に言うと他業界から改めてゲーム業界に入りたい人には(大手でなければ)間口が広がっているままとも言えます。
・ゲーム業界の年収
ゲーム業界全体の平均年収は約600万円、平均年齢は35歳となっています。
ソーシャルゲーム業界などはもっと低い年齢層になっています。
ソシャゲ業界は仕事がハードなため体力がある若者でないと辛いというのは大きいようです。
しかし、右肩上がりの企業はソシャゲ業界に多いので若くとも平均年収に近い人もいるはずです。
むしろ小規模なコンシューマー系開発会社の方が年収が低いという傾向があるようです。
この辺りにも今後の重要な課題を感じます。
5.ゲーム業界の今後
昔からのゲーム好きからは「ソシャゲはゲームじゃないでしょ」という声も多く聞きます。
でもボクとしては完全に衰退していたゲーム業界をここまで盛り返してくれた功績はすごいと思っています。
特にマニア化の一途をたどっていたゲーム業界にライト層を含めた多くのユーザーを振り向かせたのはすごいことです。
ただ、仕方ないとは言え基本プレイ無料のゲームが多く収益化を課金ガチャに頼っているのはやっぱりちょっと考えるところです。
ガチャに変わる新しい収益方法を考える時期に来ていると思います。
・普遍性のあるゲームづくり
現状はスマホの普及率に頼ったゲームづくりになっています。
でもスマホの怖いトコロってゲーム”も”できる複合機能を持つデバイスだってことです。
つまりかつてのゲームハードと同じなんです。
ソシャゲに代わるめちゃめちゃ面白くて中毒性の高い「何か」が生まれたらまた一気にゲーム業界が衰退してしまう気がしてなりません。
そうなったときでも会社を支えてくれるモノこそがコツコツ育てた自社IPだと思うんです。昔取った杵柄に頼るのってカッコ悪いかも知れないんですが。
でもやっぱり古いモノを大事にしない人に未来の成功はないとボクは強く思います。
強いIP、大きなIPがあれば広い展開ができます。この先どれだけ流行が変わっても新しいアイデア次第でゲームの本質を維持できるはずです。
だからようやくゲーム業界が盛り返せている今、もう一度クリエイターを大切にするべきだと言いたいです。
ソシャゲで集めた資金(笑)で、たとえまたイチからだとしても今はクリエイターとIPを育てておかないといけない時期です。
6.まとめ
今回は特に駄文たれ流しで申し訳ありません。m(_ _)m
でも個人的には昔からお世話になっている日本のゲーム業界には本当の意味で生き返って欲しいと思ってます。
新規IPが発表されたら応援したいですし、それを作り出すクリエイターには期待を込めてゲームも買い続けるつもりです。
だからやっぱりソシャゲだけに頼らず、そこはあくまでもステップにして次の時代の「ゲーム」を生みだしてほしいと切に願うしだいです。
本当にゲーム業界を応援しています!(*´з`)