まずググって分かるコンセプトの意味から確認しておきます。
コンセプト
1.概念。
2.企画・広告などで、全体を貫く基本的な観点・考え方。グーグル検索「コンセプト」より
ゲームの企画書におけるコンセプトとは「その企画書のテーマをどういう印象にまとめるか」ということです。
ここではゲーム企画書におけるコンセプトの意味と、具体的なコンセプトの決め方を分かりやすく解説します。
●ゲーム企画書におけるコンセプト
「ファンタジー風のRPG」なんかは日本のゲームでよく見るコンセプトです。
ただ、同じファンタジー風のRPGでも「パズルのような謎解き」「映画のように壮大な世界観」「斬新な戦闘システム」など発想の元となるテーマはタイトルによっていろいろだったりします。
ゲーム企画書を作るにはまず「テーマ」と「コンセプト」の二つを決める必要があるわけです。
コンセプトについて知る前にそもそも「ゲーム企画書におけるテーマ」とは何なのか知っておきましょう。
1.コンセプトとテーマ
まずテーマについて理解するとコンセプトについて考えやすくなります。
ゲーム企画書におけるテーマにもいろんな発想の起点があります。
ゲームシステム、ハードウェアの新技術、ストーリー、世界観など何をテーマとして考え始めるかは各ゲームデザイナーそれぞれです。
基本的には既存のタイトルを参考にしたり、ゲームデザイナー自身が日常で感動や驚きを感じたことを元にしたりします。
そうしたテーマからどんな印象のゲームにするか決めるのがコンセプトを決めるということです。
テーマとコンセプトの関係を料理に例えるとこんな感じになります。
ゲーム企画を料理に例えると・・・
- テーマ=食材は何か?
- コンセプト=何の料理にするか?
食材として「ジャガイモ」一つを選んでも、温かい煮物にするのか、冷たいデザートにするのか、から~いオリジナル料理にするのかでまったく違う料理になるわけです。
2.誰にどんな体験をさせたいのか
コンセプトでもっとも重要なのがターゲットユーザーと体験の内容です。
ゲーム企画書ではどんなテーマだとしてもターゲットユーザーが明確でないと誰のためのゲームなのか分からなくなってしまいます。
また体験の内容もそのターゲットユーザーのニーズに合っているものでなくてはいけません。
3.コンセプトの決め方と2つの例
ゲーム企画書のテーマの例が「子育ての楽しさ」だとしてコンセプトを決めてみましょう。
・悪いコンセプトの例
まずはコンセプトがハッキリしていない、やってしまいがちな例を用意しました。
一件テーマに沿ってハッキリしているように見えるコンセプトですが、細かい部分は読む人の想像に任せてしまっています。
- なぜ孤児院の経営者になるのか?
- 子供を育ててどうなるのか?
- なぜ未来なのか?
企画書にはどうしてもいろんなツッコミがとんできます。
しかしそれに対応していろいろ変えるとコンセプト自体がぶれてしまうことになり、そもそも何を作りたかったのか分からなくなってしまいます。
そのためコンセプトとして決めるべきなのはもっと根幹の部分です。
・具体的なコンセプトの例
同じテーマでもっと具体的にコンセプトを決めたものが以下の例です。
例「子供が好きだけどいない人に、子育ての醍醐味を味わってもらうゲーム」
●ターゲット:20代後半~30代前半の男性
●ジャンル:子供育成SLG+3DACT
ACTパートでは子供と共闘しSLGパートでの育成に必要なアイテムを手に入れる。SLGパートではアイテムを使ったりして子供と触れ合うことで成長に影響を与えていく。
子供は成長するとACTパートとSLGパートどちらでも主人公を助けてくれるが、子供の性格でその内容が変わる。
ACTパートでは子供に指示を出せるが思い通りに動くとは限らない。しかし指示の内容も育成に影響を与える。
●世界観:西部開拓時代風の牧歌的なオリジナル世界で主人公は賞金稼ぎ。成り行きで孤児院の用心棒になる。
●ストーリー:土地目当ての悪人から狙われる孤児院を子供たちと共に守りつつその中で家族の大切さを学んでいく。
●主人公:30才前後の男性(イラストを付ける)
●子供:少女と成長した女性の例(イラストを付ける)
即興で謎の世界観とストーリー(笑)ですが、ゲーム企画書のコンセプトではまず「ターゲットユーザー」と「体験してほしい内容」が合致することが大切です。
根幹になるその二つがしっかり決まっていれば、途中で仕様変更があってもコンセプトはぶれることがありません。
ストーリーや世界観が合ってないと分かれば人の意見を参考にいくらでも後付けや変更ができます。
その結果もっとハードな世界観にしてもいいし、かわいいイラストに変えてもいいわけです。
●まとめ
ゲーム企画書におけるコンセプトは何をおいてもユーザーが何を求めているかが重要になります。
テーマの元となるアイデアは斬新なものであっても構いませんが、コンセプトは独りよがりなモノになってはいけません。
そのためにはデータ自体も重要ですが、それを繰り返し見ることで身に付く感覚や慣れによる部分も大きいです。
日頃から最近はどんなゲームがどんなユーザーに売れているのかなど気にかけるようにしていればテーマに適したコンセプトを決められるようになるはずです。
ではでは、そんな感じで今回の記事でした。
あなたがよいゲームの企画書を作れることを願っています!
がんばってー!